一度『権利』を失うと年金はもらえない!


障害は軽くなると年金が支給されなくなります。
これはただ単に、年金を受ける権利がなくなったのではなく、障害等級に該当しないために、年金の支給を停止して様子を見ているのです。年金を受ける権利はなくなったのではないので、もしも障害が悪化して再び傷害等級に該当した場合は、再び年金は支払われることとなります。


では、年金を受ける権利はいつなくなってしまうのでしょうか?

1.死亡した場合
2.障害が3級の状態よりも軽減され、そのまま65歳に達した場合

平成6年の法改正前では、障害が3級に該当しなくなってから3年経過した場合、その時点で年金をもらう権利は消滅してしまいました。この3年間を『様子見の3年間』といい、もらう権利を消滅させるかどうかの判断期間としていたのです。
しかし、平成6年11月9日から、この『様子見の3年間』がなくなりました
たとえ障害が軽減されてから3年経過したとしても、65歳になるまでは支給停止の状態のままでいることになったのです。よって、そのまま障害が悪化しなければ、65歳に達した時点で権利がなくなることとなります


権利がなくなった場合、たとえその後に障害がどんなに悪化したとしても、年金は支給されません!ですから、『権利の消滅』については、とても慎重に取り扱われています。

ではここで事例をあげてみましょう!

<その@>
花子さんは障害が軽減して、そのまま障害が悪化することなく3年を経過しました。この日が平成6年11月9日よりも前でした。花子さんはこの時点で「年金をもらう権利」が消滅しました。そしてその2年後、再び障害が悪化しました。しかし、すでに「年金をもらう権利」が消滅しているため、花子さんは年金をもうもらうことができません。


<そのA>
平成8年、太郎さんの障害が軽減されました。しかしそれから5年後、再び障害が悪化してしまいました。でも太郎さんは65歳未満なので、また年金をもらうことができます。

さて、どうでしょうか?
花子さん、太郎さん、同じ障害者なのに不公平だと思いませんか?
法律の改正前と改正後でこのようなことになってしまうのです。
そこで、花子さんのように、平成6年11月9日以後から65歳に達する日までに障害等級に該当すれば、請求月の翌月から年金がもらえることになったのです!法改正前に障害が軽くなって『年金をもらう権利』を失った人であっても、太郎さんのように年金が支給される措置がとられたのです!ただし、あくまでも65歳に達する日の前日までに障害が悪化していることが必要となります。

ではこんな場合はどうでしょうか?

<そのB>
さちこさんの障害は64歳の時に軽くなりました。でも来年は65歳です。翌年の65歳になってしまうと、年金をもらう権利は消滅してしまうのでしょうか?


法改正によって、『様子見の3年間』の考え方がまったくなくなったわけではありません。最後に3級に該当しなくなってから、その後の3年間を経過していなければ、65歳に達しても権利は消滅しないのです。
さちこさんのように64歳で3級の状態に該当しなくなった場合は、67歳までが『支給停止』の状態なのです。よって、66歳で再度障害が悪化した場合には、再び年金が支給されることになります。

最後に手続です。
厚生年金に加入している場合で、障害等級の3級に該当しなくなった場合には、すみやかに社会保険事務所に『障害基礎・厚生年金受給権者障害不該当届』を提出することになります。

国民年金に加入している場合で、障害等級の2級に該当しなくなった場合には、住所地の市区町村役場に『障害基礎・厚生年金受給権者障害不該当届』を提出することになります。


もしも、また障害等級に該当することになってしまったら、『障害基礎・厚生年金受給権者支給停止事由消滅届』を再度提出しなければなりません。